ハッピーニューイヤーはもう一度
よもや1年に2度も正月を迎えることになろうとは。 ベトナムには中国、韓国と同じように「旧正月」(テト)の文化があります。日付はその年によって変わるそうですが、2015年は2月19日がそれにあたるようでした。日本の正月と同様、ベトナム人はテトのために年末をめまぐるしく過ごします。ダラットで会う予定であったベトナム人の方も年末の仕事が忙しくてなかなか予定を調節できなかったと言います。沿道には菊やキンカンなどの鉢物がズラリと並び、街もイルミネーションが飾り付けられています。多くのベトナム人がこのテトに入る際には仕事も「冬休み」となるようで、僕は宿や食堂が閉まるのをおそれ、ニャチャンという大きなリゾート地でしばらく腰を落ち着かせることにしました。
日付が変わるやいなや、ビーチでは盛大に花火が打ち上げられました。その朝、僕は自転車に乗ってベトナム人たちの居住区を周ってみると、赤に黄色い星マークの国旗が掲げられた家々からは賑やかな声が聞こえてきて、きっと親戚たちが集まっているのでしょう。ニャチャンの観光エリアは通常通り営業してる店がほとんどでしたが、ベトナム人の居住エリアの普段営業してあるだろう店はほとんどシャッター街と化していました。それでもポツポツと元日から営業してる勤勉な(?)食堂や屋台も中にはありました。
ニャチャンはベトナム最大のビーチリゾート。高級ホテルやレストランがあれば、ビーチにいるのはほとんどが欧米人(中でもロシア人が多いと言います。)でベトナムにいることを忘れてしまいそうです。特に変わったこともしてはおらず、友達もいなかったのでほとんど一人で気楽にブラブラと楽しんでおりました。海にも入ってみたけど、次の日からはテイクアウトのスムージーを持ち込み、ウォークマンでアン・サリーを聴きながら浜辺に寝そべって海を眺めていると、これぞ「ザ・リゾートの過ごし方」という気がして、一人でニンマリとしていた。
滞在中5回通ったコーヒー屋さんがあります。ベトナムコーヒーは好きなんだけど。たまには「甘くないコーヒー」も飲みたくなるので、大きな街に来た時はついエスプレッソマシンの置いてある店を探してしまう。宿街の通り沿いにある「CUPPA COFFEE」はカウンターのみの小さなお店。テイクアウトも出来るし、サクッとコーヒーを楽しみたい旅行者でいつもにぎわっている。僕はいつも専らカフェラテばかり頼んでいるのだけど、ある時お客さんが少ないタイミングがあったので、前々からずっと「野望」として考えていたことを打ち明けてみる。 「あの~そのカフェラテなんですけど、ミルク注ぐのだけ僕がやってもいいですか?」 「え?・・・・・いいよ。」 やった!旅に出てから、ラテアートをしたくてしょうがなかったのだ。久々でしかも見られてるので緊張したからちょっと形が崩れたけど「チューリップ」を書くことができた、やっぱり楽しい。旅先でラテアートをすることはできないか?ずっと頭にボンヤリ考えていたけど、最近明確になってきたこと。「ベルマンCX25」という直火式エスプレッソマシンがあるようだ。普通のマシンとは違い、円柱型のヤカンのような感覚で持ち運びが出来、スチームノズルがついているので、ラテアートに必要なミルクを泡立てることが出来る。ヨーロッパ編では主にキャンプ中心になるだろうから導入を真剣に考えています。(また荷物が増えるではないか・・・)話は戻って無理なお願いを聞いていただいたCUPPA COFFEEさんには感謝である。
元旦から3日目の朝、僕はニャチャンを出ることにした。これから中部の見どころが集まるエリアまでは500kmある。ここまで気に行った街を見つけては飽きるまでダラダラと過ごしてきたので、走った距離に対する旅行日数がおかしなことになっている。実は新しい目標が出来たのだ、それに向かって一旦自転車旅のアジア編を終わりにかからすべく、これからは少し勤勉に走っていくことになると思う。