期末試験のはじまりなのだ。

ホイアンを出て今にいたるまでの道のりと、これからの予定について簡単に話しておこうと思う。

ホイアンを始めとして、ダナン、フエなどの中部の見どころが海沿いの近い距離に集中している。ホイアンからダナンまでは海沿いの道を３０ｋｍ、自転車でもたった２時間でなんなくたどり着いた。ダナンは思ったよりも都会で、高層ビルなども見受けられるビジネスシティの側面を持つと同時に、海沿いはホテルが立ち並び、リゾートの街でもある。ビーチはとても美しいのに人気はかなり少ない。ニャチャンのビーチは人であふれかえっていて、あの賑やかさもイイけど、ゆったりと静かに海で過ごすならダナンの方がおすすめかもしれない。カラフルな漁船も見受けられるが、一寸法師が乗ってるような「ザル型」の船には驚いたな。

ダナンにはビーチ以外にもいくつか見どころが点在するようなのですが、観光にあまりやる気を見せない僕は、ただいつものように街を適当に散策しては写真を撮ったりカフェでボケっとしていただけである。田舎では食べることのないバリエーション豊富なベトナム料理もこの間にたくさん堪能したので、それらのことについてはまた別の機会でご紹介したいと思う。

とりわけカフェについて述べると、ダナンには本当に多くのカフェがあり、デザインセンスあるオシャレなものも多い。中でもホイアンで仲良くなったバリスタさんの知り合いのカフェ「Ｖｉｎｔａｇｅ　Ｓｔｙｌｅ」さんに足を運び、オーナーバリスタさんと色々お話が出来て得難き時間となった。ＵＳから取り寄せたというまさしくヴィンテージな小物が店内にたくさん飾られ、バリスタさんのこだわりが随所に見られる。

さて、ダナンの次は１００ｋｍ離れたフエという街を目指す。ダナンを出るとすぐ「ハイヴァン峠」という標高差５００ｍの峠が立ちはだかる。幾度も峠を越えている僕にとっては５００ｍ程度ならさほど問題は無かったのだが、ハイヴァン峠は景色がいたるところで素晴らしく、あちこちで停まっては写真を撮っていたものだから、２０ｋｍの行程に昼休憩も兼ねて４時間かけてしまったため、峠を降りたころにはすでに昼の２時。まだフエまで８０ｋｍを残していた。久々必死こいて走り、フエに着いたころには精根が尽き果てていた。

そのフエで５日間を過ごしてしまい、僕はさすがに焦りを覚え宿を辞すこととなった。

これからの予定について。

自転車旅・東南アジア編のゴールはベトナムの首都ハノイと定めた。本来の予定ならベトナムから隣国ラオスに入り、最終的にタイに戻ってバンコクからヨーロッパ行きの飛行機に乗るつもりであったが、ハノイで終わらせることにしたのはある目的のため。

それはフィリピンの島へ行き、１カ月間の英語留学をするためである。フィリピンには多くの短期留学の語学学校があるという。旅始め、バンコクの宿で出会った２人の旅行者からその話を初めて聞いたが、旅を進めるにつれ、今の英語力でも旅行はなんとか出来るが、もっと深いコミニケーションを取るにはもっと勉強しなければならない。ネットや実践で上達する人もいるが、幸いフィリピン留学は欧米に行くよりずっと安価で、短期間集中して英語漬けになることはきっとヨーロッパに行くにあたって大きな力になると思ったのだ。

もうすでにフィリピン行きとヨーロッパ行きの航空券の予約は済ませ、学校の申込も完了した。我ながら珍しく行動が早いと思う。４月はじめにはフィリピンに行くので、ハノイまではしっかり期日までにたどり着かなくてはならない。フエからハノイまでは７００ｋｍ未満。僕のペースだと１０日～２週間の距離である。もう僕は止まらない、３０００ｋｍを越えるであろうアジアの旅もゴールは近づいてきている、東南アジア編の集大成、期末試験はいよいよ始まったのだ。

と言いながら、今はとある街で観光のために２日滞在することになった。いや、まだそのくらいの余裕はあるはずなのである。