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ビチクレッタで良き旅を!

前回は旅の苦労面を書きましたが今回はハッピーサイドをば。

「ヨーロッパはメルヘン!」という小学生の作文並みレベルの感想を書きましたが(いつもそうですけど)5月のイタリアは本当に美しく、日本ではなかなか見られないような童話的な風景に、ただその言葉しか口から出てこなかったのです。本当にローマをちょっと出ただけでまるでヨーロッパ編のハイライトを見ているかのような景色は「もうこれで旅終わってもいいんじゃね?」と思えるほど。

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そして何度も書いていることだけど、沿道の野の花の彩りの豊かさよ。僕はこの旅に求めているものとして「コーヒー」の他に実は「外国の植物観察」というのもあった。しかし東南アジアであまり植物に反応することはなかった。気候が全然違うので生えてる植物もまるで違う。大きいのから言えばヤシの木やバナナ、花はブーゲンビリア、野花なら覚えているのはシロバナセンダングサばかりが田んぼの脇に生えているのを覚えている。ブーゲンビリアは南国らしくて好きな花だけど、アジアを旅していて植物に反応するということはほとんどなかった。しかしヨーロッパに来てまず街路樹のまばゆい新緑に反応。そうだ、何が違うかというと「落葉樹」なのだということに気付いたのだ。そして種類豊富な野の花たち。見れば日本にもある野草をたくさん見かけることが出来、僕は歓喜の声をあげた。考えてみれば日本にはたくさんのヨーロッパの帰化植物があるので同じ植物を見ることが出来るのは当然である。しかしやはり僕は熱帯性の植物より、温帯の優しい色使いの草花の方が心の琴線に触れてくるようなのである。ナノハナ、オオイヌノフグリ、アザミ、アカツメグサ、ヤグルマソウ・・・挙げだしたらキリがないほど大好きな草花がたくさんあるではないか。さらに日本では野生では生えてないものとして、白花のデージー、赤いポピー、青色のボリジなど。特にこの赤いポピーはよく生えているけどいかにもヨーロッパを象徴しているかのような気品と素朴さを持ち合わせた好きな花である。そんなこんなヨーロッパは「雑草ウォッチング」が僕にとってはたまらなく楽しく、僕は遥か遠い地で日本のような春を満喫しているのです。

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田舎道をつなぐ小さな町について。観光地でもない小さな町でも街並みが素晴らしいところが多い。本当どこも絵になるし、こんな昔の街並みを残す村が多いことに単純に不思議だ、もちろん日本の田舎の村などと比べて建築様式などまるで違うので、新鮮さから来る驚きもあるのかもしれない。ボルセナという湖近くの古城から町を見下ろした時、手前が旧市街地、むこうが新市街地にはっきり見てとれたが、新市街地の方の家々は新しく建てられているようだが、建物の色合いはどの家も旧市街地と合わせているようだった。イタリアのほんの一端しか見ていないけど小さな街でも、空間の雰囲気の調和というのに重きを置いてると感じずにはいられない。

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さて続いてはキャンプ生活について。これほどまでキャンプが楽しいと感じているのは日本一周時の北海道以来ではなかろうか。無料が多い北海道のキャンプ場に比べると、ヨーロッパのキャンプは当然ながら有料なので高くつくけど、ホテルに泊まるよりは断然安いし、自炊も出来るし、本当に自炊が楽しくてしかたない。ベトナムではじめてキャンプ中に自炊した時は初めてのガソリンストーブに不慣れということもあったけど、味付けを誤って、結局川に投げ捨て、この先ヨーロッパでのキャンプ生活に不安を感じた。でも今は毎日美味しい料理を作って、野菜もたっぷり、量もたっぷり、お財布にも優しくて、レストランで食事するよりエエんちゃう?と自炊生活を楽しんでいます。イタリアにはアジアに比べてちゃんとしたスーパーマーケットが多くキャンパーには大助かり。野菜も日本のようにある程度の量がパッケージされているのでなく、量り売りであることが多いので、例えばジャガイモも1コから買うことが出来て、ひとりものでも1回の食事に複数の種類の野菜を組み合わせることも可能。レストランの食事は高いけど、スーパーの値段は本当に良心的。おまけにパスタ・ハム・チーズなどのイタリアならではの食材の種類が本当に豊富で、今日はどれ使う?何食べる?と一人でウキウキしています。ヨーロッパの旅はエクスペンシブ(お金がかかる)じゃない?とよく聞かれるけど、キャンプ+自炊をやればヨーロッパは安く・楽しく旅が出来る!というのが今のところの僕の答えです、もちろんこれは自転車旅だから言えることだけど。 そうだそうだ、新しいコーヒー道具も手に入れたのです。ベツマンCX-25という直火式のエスプレッソマシンなのですが、なんとミルクのスチーミングノズルがついており、この1台でラテアートを描いたカプチーノを作ることができるのです。もう本当ラテアートがしたくてしたくてたまらなかったので。おかげでカバンの中はこいつでかわばるわ、重いわで大変なんですけどね、ホンマにアホですわ。

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最後にイタリア人について。僕の友達が「ヨーロッパの人たちは自分たちの言語・文化に誇りを持っているから英語はあまりしゃべってくれないし、アジア人には冷たいよ。」と助言してくれた。実際にイタリアに来てそう感じたことはほとんどない。むしろ陽気で気さくでとてもハートフルである。東南アジアでは子供たちが「ハロー!」と元気な声をたくさんくれたけど、イタリアの子供たちは日本と同じくちょっと恥ずかしがりやさんで、かわりに大人たちが陽気に「チャオ!」「ボンジョルノ!」と声をかけてくれる。ちなみに自転車のことをイタリアで「ビチクレッタ」というみたい。時々ツライこともあるけど、たくさんの出会いがあるビチクレッタの旅が僕は大好きなのです。


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