魔法をかけてあげようか
2日にわたってローマの街をじっくり歩いてみた。前も書いたけど、町全体が美術館のようで、これだけ文化遺産がゴロゴロ残っていること自体驚くべきことだし、歴史的な場所でなくても町全体がその雰囲気に合わせるように見事に調和された街並み・風景が形成されているので、どこを見ても何を見ても絵になってしまう。この抜け目のなさというのは日本ではお目にかかったことがない気がする、いやもちろん日本は大好きなんですけどね。
(↑この行列の先に美味しい塩ラーメンの店がー!んな訳ないです。)
午前中は宿でコーヒー淹れてゆっくり朝食を食べつつ、パソコン作業をこなしたり。そして昼からは自転車でローマの簡単な紙地図とコンパスを持って町へ。何の建物が有名かなどの前情報はほぼ一切ない、ただ適当に自転車を走らせているだけで、驚きと感動が向こうからやってきてくれるのがこのローマという街なのである。
歴史的建造物から町中の路地、そこに住む人々の何気ない日常、一つ一つが僕にとって新鮮な驚きと感動を与えてくれる。ヨーロッパなんてテレビで紹介されつくしているけど、実際にそこに立ち、見て感じることが出来る幸せをかみしめつつ。
ローマで食べたものについて。宿にはレンジと水道はあるが、コンロはないので本格的な自炊は自転車旅を始めてからにする。そうするとローマでは全て外食となるわけだ。いやいや、分かっていたつもりだけど、なにせ東南アジアから来たものだから食事にかかる値段のギャップには驚いた。冷静になれば日本と同じかすこーし高いくらいなのだけど。サンドイッチをバールで頼めば、へたするとベトナムの10倍くらいしたりする。でもね、そのサンドイッチがものすごく美味しいの。パスタとピザもトライしてみました。ピザは文句のつけようがなく美味しかったが、パスタは信じられないくらい美味しい!というものにはまだ出会っていない。ハードルを上げているのは分かっているけど、本場なんだからそこは今後に期待してみたいなと思う。レストランでの食事は高くつくけど、スーパーに出向けばパンやハム、チーズが種類豊富で揃い、お値段も優しい。朝・昼はサンドイッチを自分で作って食べれば節約になりかつ美味しいという「技」を身につけた。これは今度のヨーロッパ旅でも使えそうだ。
コーヒーの話題。イタリアのカフェといえばBAR(バール)。お酒も飲めるカフェといったところか。ローマのような都会は分からないけど、今この記事を書いている時点でイタリアのバールではエスプレッソはだいたい1ユーロ、カプチーノに関しても1~1.5ユーロくらいで飲めてしまうので、コーヒー好きの僕にはこの上ない朗報である。ゆっくり席に座ることも出来るし、カウンターでクイッとコーヒーを立ち飲みするのもイタリアのバールの楽しみ方の一つであろう。「早い・安い・旨い」だけなら日本の牛丼屋みたいだけど、イタリアのバールにはさらに「お洒落」が加わる。飲みはしないけど、後ろにズラッと並んだ洋酒のボトルと、銀色に光るエスプレッソマシンを惚れ惚れと見ながらコーヒーを飲む時間は幸せ以外のなにものでもない。
宿で出会った旅人たちについて。ショートカットでカッコキレイな欧米系のお姉さんはUSのとある有名カフェで働いていたようで、これからまた別の国でバリスタ修行をされるそう。残念だったのがこの人の英語はとても早口だったので言ってることの1割くらいしか聞き取れなかった。ああ言葉が分かるならもっとコーヒーの話をしたかった。
もう一人は相部屋で知り合った韓国の青年。お互い写真を見せ合ったり、向かいのバールにピザを食べにいったりと仲良くさせてもらった。この旅で何人かの韓国人と知り合っているがみんな本当優しい人ばかりで、中国人は個人旅行者は少ないように思うので滅多出会わないけど、ベトナムで出会った一人の中国の青年もやはりイイ子だった。上の方ではずっと歴史のことやらで一概に良い関係とは言えないようですが、底辺の僕から見れば、もっとシンプルに仲良くやれないの?と思ってしまいます、まあ色々難しいんでしょうけど・・・。何はともあれ世界中に友達が出来ていくのは、素晴らしいことである、草の根交流ってやつね。
楽しすぎたローマ滞在。もっといたいところだけど、お金がかかりすぎる。さあいよいよヨーロッパの自転車旅をはじめる時がやって来た。