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リストランテ・ビチクレッタ

キャンプ飯が楽しくて仕方がない今日この頃である。もともと料理は好きである。飲食店で働いていたこともあるが「プロ」と呼ばれるほどの域にいく前にやめてしまったので、ほとんど自己流ではありますが、初めて作る料理でもそれっぽい味に仕上げるくらいの感覚は持っているつもりである。日本一周の時も自炊はしていたが荷物や手間が増えるのがイヤだし、そこまでのこだわりも無かったので、せいぜい米を炊きながらフタの上でレトルトカレーをあっためたり、パスタには市販のソースをかけ、その程度であった。

ところでベトナムを旅していた時は、ほとんどが宿泊まり、外食に頼る日々だったので自炊をするのはキッチンの使えるごく限られた宿でのみのことだった。ベトナム料理は美味しいと思う、しかし変わった料理を食べれるのは大きな街や観光地で、田舎の方にいけば本当にワンパターンな内容で毎日外食に依存している僕にとっては少し物足りなく感じることがあった、いや食べれるだけで有難いので本当はそんなこと言ってはいけないんですけど。あまり他国の食文化にも関心がないのかベトナム料理以外のものを食べれる機会は少ない。日本のように多様な食文化に囲まれた僕たちにとってはたまにはパスタが食べたいねとか、やわらかいサンドイッチも食べたいねと思ってしまうこともしばしば。

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(上から「ナスとソーセージのアラビアータ」「10分で作る手間なしポモドーロwithチーズ」フライパン買った第1号飯に「ポークチャップ」「カレーパスタ」を食べる時の正装。服脱いだだけで何が正装じゃ。てゆうか貧相なボディやな・・。)

ということでイタリアに来て食の喜びを爆発させている。食材と、作れる環境さえあればたいていの食べたいものは作ることが出来るのだ。そこまで大きくない街にも「スーパーマーケット」がある。アジアには無かったことである。整然と並んだ食材の宝庫で僕は目を輝かせ、今日は何を作ろうか、何を食べようか一人で嬉々乱舞している時、僕はとても幸せなのだ。安全のため、野宿は避けて少しお金がかかってもキャンプ場に泊まっている。野宿のようにこそこそとでなく、堂々と調理することができ、洗い物が増えても水道で片付けることが出来るので料理に力を注ぐことが出来る。シェルパ斎藤さんの「ワンバーナークッキング」のように、「じゃがりこ」にお湯かけてポテトサラダにしたり、パスタにお茶漬けの素を使ったり、とそういう創造性やDIY精神というのは僕は大好きである、日本一周中はそういう考えだった。でも今の僕なら「やっぱり野菜もちょっと入れたい」とかだけでなく「最後にバジルかけたらより風味が良いよね」と最近はこだわりが増す一方だ。

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(目玉焼きの出来が悪いけど「サラミとズッキーニのジャーマンポテト」、日本から持って来たダシの素つかって「鍋焼きパスタ」、ついにここまでやりました「手捏ねハンバーグ」)

というわけで毎日朝晩自炊、昼は朝作ったサンドイッチをかじって走っていますが、やはりプロの味を体験するのも勉強。先日ローマ以来久々にリストランテ(トラットリア?)でパスタを食べてみました。確かにとても美味しかった。無難なメニューを頼んだのもあり、この味なら真似できないことはない思った。もちろん味で張り合おうという話ではない、味も、手際も、安定性も創造性もかなうはずなどない。ただ自分で作ったものが自分で美味しい!と思えているなら、別にお金をかけて外食する必要はないと思ったのである。「安い・旨い・たくさん食べれる」これが僕の旅に必要なこと。今後外食を利用するのは「どうしても今日は料理する気になれないなあ」という日だけにしよう。だってパスタとエスプレッソ頼んだだけで13€はあまりに痛すぎる。もちろん見たことない料理や盛り付け、雰囲気にお金を支払うだけの価値はあるだろうけど。このリストランテの話はまた後日にでも。

「リストランテ・ビチクレッタ」 ミシュランには載っていませんが、一人のお客様には多大な評価をいただいております。当店は今日もイタリアのどこかで自転車操業中でございます。

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(上:食後にはラテアートを添えたカプチーノもご提供出来ます。

 下:カスティリオーネで見かけたトラットリア?の野外席。たまにはこんなお洒落空間でセコンド、そしてドルチェまで味わってみたいものですね。)


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