地中海にポン酢をかけたなら?
苦難のチンクエテッレを乗り越えてたどり着いた「レバント」という港町。5日連続の走行だったこともあり、今日はゆったり休息日。キャンプ場から町に繰り出して散歩してみると、久々僕のアンテナにビビッと反応するものがあった。近くの地中海に面した浜辺も大変美しい。うむむ、これは1泊追加せねばならないな。
特筆して書くような出来事はない。林の美しいキャンプ場(1泊の料金が高くて泣きそうだけど)、時間ごとに鳴る教会の鐘の音、公園で遊ぶ無邪気な子供たちの声、心躍るような雑貨や食品を扱う小さな店・・・やはり僕はこれくらいのサイズの街が好みのようだ。気のりしないなら行かない、気に入れば時間をかける。こぎたくなければ電車も使う。「こうでなくてはならない」はいらない、旅はもっと自由であっていい。キラキラ輝く海の前で僕はそう思った。
(レバントで感じた可愛さをハーフサイズカメラ風にしてみました。)
浜辺に座りながらウォークマンで音楽を聴く。この海に合う音楽はなんだろう?木下美里都の「BOY MEETS GIRL」を聴いた、これはドンピシャにきた。続いてブラジルの女性歌手マリアーナ・バルタールのサンバを聴いた。曲に漂うサウダージがまたも目の前の海とマッチした。続いて奄美大島の民謡歌手・朝崎郁恵さんにトライしてみる。NHKーBSの「新日本風土記」という番組のテーマ曲として流れる「あはらぎ」という曲に感動して朝崎さんの存在を知った。民謡とか純邦楽は重苦しいイメージがあって普段は手をつけないけど、朝崎さんの音楽はアレンジが現代的で、若手ミュージシャンとコラボしたり、民謡なのに音がさっぱりしていて聴きやすい。さて、イントロが流れ歌声が聞こえ始めた瞬間、目の前の地中海が突然、土佐の桂浜のような趣に見えてきて思わず笑った。ポモドーロを使ったパスタにポン酢をかけたような「和風」感。これはこれで悪くない。