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コーヒー切れたからミラノまで行ってくるわ。


電車輪行のドタバタを経てパビアという街のキャンプ場にいる。その北40kmにはミラノ、僕の最近避けがちな「大都会」であり「大観光地」である。実際避ける予定であった。しかし調べてみたらミラノには「ある」ようなのだ。何がといえばそれは「自家焙煎のコーヒー豆販売店」なのである。日本ではそういう店はたくさんあるけど、イタリアではほとんど目にしたことが無い(僕が見つけれてないだけかもしれないけど)。スーパーで売られているのはほとんどエスプレッソ用に極細挽きされたものばかりで、僕が欲しいのはペーパードリップ用の中細挽きにするには「豆」の状態で販売されているものでなければならない。そのミラノにある店は老舗で産地などにもこだわっているよう、期待は高まる。都会に行くのは気が乗らなかったけど、コーヒーのためなら行ってみようかな、と。

荷物はキャンプ場に預け、軽い荷物と自転車だけで電車でミラノへ。表通りから入った通りにその店はある。「HODEIDAH MIRANO」1949年に創業された老舗。店の手前はバール、そして奥が豆の販売となっている。僕は見つけた、棚に並んだガラス瓶の一つ一つにコーヒーの産地が書かれたシングル・オリジンのコーヒー豆たちを。豆を選んでいる時の僕の瞳は、晴れた日の地中海の水面の様にキラキラと輝いていたと思う。「どんな味が好み?朝飲む?ブレンドはこっちの棚ね。シングル・オリジン?朝煎りならこのキューバがオススメよ。」と、店の人が色々解説して下さり、そのホスピタリティにも感動。結果僕はキューバ、コスタリカ、エチオピアの豆を計400g買い込んでホクホクしながら店を出た。これで少なくとも1カ月は幸せだなあ。

「ついで」のつもりでミラノの街も軽く自転車をこいでみることに。なんの情報もないけど、その中でドゥオーモ広場の大聖堂、ガレッリア(世界で一番高価な商店街!って言ったら怒られる?)、僕は欧州サッカーが好きなのでインテルとミランの本拠地であるサン・シーロも外からのぞかせていただいた。いや、ミラノ避けるつもりだったけど来て良かったな。ミラノに関してはたった7時間ほどの滞在だったけど、ローマと共に街に漂う「風格」を感じることが出来た。中でも大聖堂が見えた時には鳥肌が立ったね。

(↑ガレッリアにて。これはちょっとお遊びで作ってみました。)

イタリアに来て早かったか長かったか1カ月を過ぎている。3カ月しか滞在出来ないヨーロッパにおいて一国で1カ月はさすがに費やしすぎだろうか?でも、あくせく移動ばかりして、やれ何か国巡った、何か所の世界遺産に行った、何km走った、ここまで何日で着いた。旅で得た「数値」というのは確かに自分の中で誇らしく思える所はあるけど、気に行った場所なら気の済むまでいる。その街に「恋」してみる。僕はその方が好きなようである。そもそも毎日自転車で移動、移動なんて、そもそも僕には無理。なになに大陸縦断・横断の旅をされている方は本当に忍耐強いんだろう、尊敬します。

地図を見てみればだいぶイタリアの北にいることが分かる。それはトレニイターリアさん(イタリアの国鉄の呼称)のお力添えもあってのことですが。いよいよ「あの場所」へと向かう時が来たというわけか。

(全てキャンプ場のあるパビアの写真。上:なぜかみんな同じポーズをしている。中:ミラノに持っていったサンドイッチ、おかげでミラノではコーヒー豆にしかお金を使っていない、もっとお金を落としなさい!下:テントのポールが折れてしまった。えー!?な話なんですけど、スペアパーツがあったので今のところ問題なしです。テント横に立てかけてあった自転車が倒れてきて、その際にパキッと。中にいてたのでビックリしました、子供がイタズラしてきたのかと思ったのですが、100%自分の不注意が原因です。)


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