Strange Blue.Cully,Le man
スイスという国は多言語国家で地域によって4カ国語が話されている。シンプロン峠ではイタリア語だった気がする。ちょっと前までは一番主流のドイツ語、そしてレ・マン湖に来てからは「ボンジュール、メルシー」とフランス語が飛び交っているではないか。僕のようなツーリストはともかく主要言語が国の中で異なっていてややこしくないのだろうか??
それはともかくレ・マン湖の北部cullyキュリーという田舎町。もうこういうことは何回目か分からないけど、例によって「私のお気に入り」に登録されたらしく滞在は3泊に伸びていた。レ・マン湖の東にはジャズフェスティバルで有名なモントルー、キュリーから少し西に行けばローザンヌという有名でキャパシティーの大きい街があるけど、僕はこういう歩いて十分周れる程度の小さな町の方が心が落ち着く。テントを張った場所から5秒で穏やかで美しい湖が。背後のつづら折れの道を駆けあがっていけば、斜面には一面のブドウ畑、そして可愛らしい街と湖、向こうの山、空、なんて完璧な景色なんだろう。レ・マン湖は時間帯や天候によって本当に様々に色を変える。3泊して一度と同じ色合いで無かった気がするほど、言葉では例えようのない不思議なブルーを讃えている。そばで見て、離れてみて、何度もこのブルーを眺めてはうっとり心奪われ、時を止めたものだ。
(スイスで良くみかける鉄球を投げる遊び。最初に赤いボールで「ゴール」となる位置を決め、そのゴールに投げた鉄球をより近づけた者が勝ちというシンプルな遊び)
キャンプ場ではブルガリア人の家族と仲良くさせていただいた。最初家族の記念撮影のシャッターを頼まれ応じたことから、「俺らの飯食ってけよ。」ということでサラミやチーズそしてビールを大量にいただき昼間から酔いどれることに。その夜、僕は自分のためにカプチーノを作るつもりで準備していたのだが、ブルガリア・ファミリーの姿が見えたので「コーヒーいる??」と聞いてみたら「頼むよ!」とのことなので彼らの分も作り、もちろんラテアートを添えて出してあげたらとても喜んでくれ、それからはとても僕は気に入られたらしく、度々お呼ばれしては家族団らんの輪の中に入らせてもらったのである。彼らのことは好きなんだけど、僕は一人でいる時間も大事にしたい性格なので、あまりに頻繁に呼び出されるものだから、時々こそこそ逃げたり、テントの中に引きこもることもあったり。ところで彼らは何度も何度もスマホで記念撮影していた。彼らのスマホの中にも大量の各地で撮った記念撮影が。家族間との距離感に文化の違いを見たような気もしたが、自分とは写真の撮り方が全然違うものだと思ったり。時々観光客からシャッターを頼まれる時があるけど、「あなたのカメラでも撮ってあげる!」と言われ、いや別にいいけどと思いつつ、カメラを渡し、名所旧跡をバックに僕はどういう表情をしていいのやらいつも戸惑ってしまう。自分撮りはやはり、自分で思った時に構図を考え、撮るに限る。自分撮りは単なる記念ではない、作品なのだ。「セルフィー」ではなく「セルフポートレート」ね。まあいずれも勝手にやってろって話ですけど。
(↑こういうのがどういう表情をしていいのか分からない時の写真)
ちなみにブルガリアはやっぱりヨーグルトが有名らしい。さて、そんなこんなもうすぐフランスに入りそうだ。