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Trip to Coffee Capital


Wellington・・NZの北島の南に位置する首都の街。ここは「世界8大コーヒー都市」にも選ばれ、数多くの素晴らしいカフェが集まり"Coffee Capital"とも呼ばれている。 満を持して"Wellington Coffee Trip"行って参りました。

クライストチャーチからウェリントンへは飛行機で1時間。目的が「出来る限り多くのカフェを巡ること」なので自転車要素は今回一切無し。あらかじめ予報で分かっていたことですが、着いた頃から空はどんより。北島は基本的に雨が南島より多いそう。晴れて乾燥した日が多いチャーチとは違うな。今回はカフェ目的なので雨だろうとdoesn't matter.空港を出て、バスから外を眺めていると街にもチャーチとの違いに気づく。2階建ての民家を多く見かけ、中心部は背の高い建物が多い。チャーチの民家は平屋がほとんどで、中心部は地震の影響で背の高い建物はほぼ無いため、久々見た都市らしい風景に新鮮さを覚える。ウェリントンはコンパクトな街なので、カフェ巡礼も徒歩で十分こと足りる。2日間で6軒のコーヒーを嗜みました、以下写真と感想をば。

"Prefab"

何はともあれ1軒目"Prefab"モダン&シンプルな建築、扉を開けると広々とした空間はたくさんのお客さんとお店のスタッフで賑やか。昼時のオープンキッチンは火の車のように忙しそう、以前日本で働いていた人気レストランの厨房を思い出してぞっとする。焙煎機を目の前にしたカウンターに座り、挨拶変わりのロングブラックを注文。コーヒー淹れたのはレスラーみたいなコワモテのオジサン(失礼)だったが、サーブされたコーヒーは香り良し、ダブルショットなのに苦味はそれほど感じず甘い酸味が口の中に程よく広がり、非常に美味しいロングブラックでございました。他の人が食べてる料理見てるとかなり旨そうだったので、今考えたら食べてみても良かった。ちなみに昼飯は家から持参した弁当、たまの旅行くらい贅沢してもええのに。

都会の中のダウンタウン的な場所(大阪で言うアメリカ村みたいな)に位置する。店の中も同様にファンキー&フリーダムな雰囲気で、見た目からしてチャラい男子スタッフ2名がスピーカーから流れる音楽に合わせて踊りながら仕事したはります。ラテを頼んで口に含むと「うん?」と一度首をかしげる今まで味わったことのないフレーバー。どちらかと言うと浅煎りでショットに豆の個性が存分に出てるなーという印象はあるが、美味しいのかそうでないのかは正直「?」で、店のラフな雰囲気共に「まあこれもありなのかなあ。」という感想、いや嫌いではないのですよ。1杯でその店を判断しようなんて野暮の極致、時間があればもう一度行ってみたかった興味深い店です。(前情報では、ウェリントンで味の評判の良い店とのこと。)

"Lamason"

2日目の朝1発目は"Lamason"さん。分かりにくい路地裏にあり、コーヒーマニアでない限りツーリストはそうそう来ないかも。小さい店内は仕事前のビジネスマンで賑やか。会計台におかれた山ほどのスタンプカードは名前のアルファベット順に仕切られており、お客さんは自分でカードを探して、自分でスタンプ押して、また戻すという信頼感がいいなあと。この店の注目点は、NZでは珍しいサイフォンコーヒーが楽しめるところ。お客さんは次から次に入れ替わり来る忙しい中、手間のかかるサイフォンコーヒーを点てながらバリスタさんは気さくに話しかけてくれて好印象。チャーチではペーパーフィルターで淹れてくれる店に何軒も行ったけど、どこも温度がぬるくて。出来たてのブラックコーヒーは熱々じゃないと、という感覚はたぶん日本人嗜好なのだろうか。話は戻り、Lamasonのコーヒーは適温でサーブされたので嬉しかった。そもそもサイフォン自体に温度安定の原理があるからね。味はこっちで流行りの朝煎りフルーティー、美味しくいただきました。

"Flight Hangar Coffee"

前情報ではかなりコーヒーにこだわってるようなので一番楽しみにしていたお店。エスプレッソを豆別、抽出器具など、色々選べるようで好きな人は興奮することでしょう。僕は人生初体験の「エアロプレス」というプラスチックのピストンの要領でコーヒーを淹れる最近流行りの抽出方法をチョイス。味はやはり苦味の無いジュースみたいなフルーティー系。正直な意見ではそれほどの感動は無い。Lamason出てすぐこちらに来たのもあり、コーヒー欲も高まってなかった。人気店とあって、賑わいがあるのはいいけど、落ち着いてゆっくりという気分にはなれなかった。あくまで僕の感覚だけど。たぶん個人的なタイミングも悪かったのだろう。もう一度、二度は訪れてみないとなんとも言えない。

"Peoples Coffee"

カフェは"New Town"という中心街から少し離れたエリアにあるが、バスを使えばアクセスは容易(中心部から歩きで30~40分)。中心街の雰囲気とは異なり、フランクで生活感が漂う中に溶け込むように"Peoples Coffee"は存在する。Lamasonよりもさらにこじんまりとした店。ガラス戸からは外からの光がたくさん入り、店内は柔らかい空気に包まれている。ここでは焙煎豆を買うつもりだったので、数種類ある中から選んでいると、スタッフさんが声をかけてくれ、ほぼ全ての豆の特徴やフレーバーを丁寧に説明してくれた。今回のカフェ巡りの様子は、ショートムービーにまとめるつもりだったので、コーヒー淹れてる様子を撮影させてもらえないか頼むと快くOK。フラットホワイトの小さなカップに手数の多いアートを器用に描いてくれた。味に関してはひと口目、ショットのボディがガツンと口に広がり、ここも少し変わったフレーバーで言葉では形容し難い。旨いか、そうでないかで言えば、旨いのかなあ・・?という感じ、やはり1度飲んだだけじゃ分からん。店の雰囲気はかなり好みだし、地元民なら間違いなく通う店になるだろう。

◎まとめ チャーチにも素晴らしいカフェはたくさん存在するが、ウェリントンはまだその先を1歩進んで新しいことにチャレンジしてる姿勢が伺えました。グラインダーはSimoneli使ってる店が多かった、チャーチはMazzerが主流。あとバリスタが作業するエリアのテーブルに小さなシンクがついていて、使用したミルクジャグを上下ひっくり返すと下からジャグを洗ってくれるという装置を用いる店がチラホラ。これが意味することはいつでも冷たいジャグで、新鮮な牛乳でコーヒーを作れるということ。すげーと思いつつ、逆に言えばめっちゃミルク無駄にならん??って思いもします。

6軒回ったうち(うち1軒は美味しくなかったので紹介しない)お気に入りはLamasonとPeoplesさんかな。どちらも共通して店員さんがフレンドリーで店のキャパが小さいこと。味は非常に重要なことの一つであるが、空間が心地悪いと台無しですし。ウェリントンにはまだまだたくさんカフェがあるので、是非お気に入りの店を見つけてみて下さい。

余談。ウェリントンは政治・コーヒー以外に芸術の街として知られており、大小ギャラリーが数多くあるそうですが、今回はコーヒー目当てだったので、ほぼノータッチ。それ以外ではヴィクトリア山という街から歩いていける小高い山の展望所に行ったのと、あとは植物園。チャーチの植物園と全く異なり、斜面に作られているので「森」としての印象が強く、雨の中しっとりした良い情景を醸し出していた。

旅の総合評価を一言で言うなら「疲れた。」 連勤明けで前日カフェ情報をくまなくチェックして寝不足のまま早朝フライトで、現地で2日間体力の限界までひたすら歩いて、またフライトでチャーチに帰り、次の日からまた仕事。

ウェリントン自体は特別個性を感じる街という感じもしなかったし、天気は終始曇りか雨で少なからず印象を上げることはなかった。おそらく都会を歩き回るという旅が自分には合ってないかも、やはり田舎を自転車で走っていた方が僕はハッピーになれると思う。

チャーチに帰って数日後。仕事終わりに、家でコーヒー淹れて夕暮れのビーチ見ながら口に含むと、これがビックラこくほど美味かった。豆は、店を訪れた当時良いとも悪いとも感じなかったHangar Coffeeのもの。これだけ感動するのはいつ以来と思いを馳せると、3週間南島を旅した時にキャンプしながら飲んだコーヒーに遡る。結局、美味しいコーヒーとは飲む時の自分の気持ちにフィットするかどうかなのだろう。COEの豆だろうが、有名店で焼いた豆だろうが、人によってはインスタントや缶コーヒーの方が好きって人もいるだろうし、まあそんなこと言ったらキリないけど。とはいえ、美味しいコーヒーを求めることに妥協するつもりはない。"Coffee Capital" WellingtonをNZ滞在中に体験出来たことは少なからず価値があるだろう。

(今回のカフェ巡礼をショートムービーにしました。)

次回、再会を誓ったあの場所へ再び。


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