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島の時間に浸れ Soak in slow time

I chose going through Isla de Chiloe because there was possibility not to pass one village on Carreteral Austral because of flood. But I had to wait longer time for ferry to Puerto Cisnes near Austral because seats of ferry were full. Isla de Chiloe was not spectacular but good people and quiet time in Cucao(located out of natinal route 5).

Finally could arrive at pto.Cisnes.I will start riding on Austral soon.

Puerto Monttプエルト・モンでは道端でバッタリ再会したライダーのヨシさんアスカさん夫婦と1日共に過ごす。プエルト・モンから南米最南端のUshuaiaウシュアイアまで、自転車で2カ月以上かけて行くところ、バイクの彼らはたった2週間で辿り着く予定だという。彼らはウシュアイアから折り返して北上し、最終的にカナダを目指すそうだ。とても素敵な人柄のお2人だ、どこかでまた会えたらいいな。

僕はもう1日Puerto Monttで準備に奔走。パソコンは相変わらず壊れたままで、スマホも画面割れで動きが悪い。旅は出来るけど多少の不便もあり、小さなタブレットを新品で購入(1万円)、ブログの更新が主な目的だったが、更新するためのアプリが不対応と発覚して本末転倒な結果に。それでも壊れかけのスマホを使ってる時より状況は随分改善された。プエルト・モンにはスペシャリティコーヒーを扱うお店が1軒。コスタリカの豆を購入したが、香り・フレーバ―共にかなりハイクオリティだった。プエルトモン以南のパタゴニアでは美味しいコーヒー豆を入手出来る場所がほぼ存在しないので、コーヒーオタクな人は是非ここで買い込んでおくことを勧めておく。

(3枚目 漁港のあるプエルトモン、魚市場ではセビーチェが食べられる。)

パタゴニアのメインルート、アウストラル街道(Carreteral Austral)はPuerto Monttから始まる。ところが2017年12月、ルート上にあるVilla Santa Lucia という村が大雨の土石流に襲われ、通行止めになったということだ。(この災害で亡くなられた方々がいらっしゃるそうです。ご冥福をお祈りすると共に、村の方々に元の生活が戻ることを願います。)

そこで代替ルートとして、アウストラル街道の西側に位置するチロエ島に渡り、島を北から南へ縦断した後、再び船に乗ってアウストラル街道に復帰して、今回の災害に遭った村はパスすることにした。

宿の奥さんの勧めで、プエルト・モンからチロエ島までの70kmはバス移動した。国道5号線はまるで高速道路、物凄いスピードで車が走れば景色も限りなく殺風景だった。船で島に渡ると、Ancudアンクードという街からチロエ島の旅が始まった。島に入ったらのんびりと走れるものと思っていたらどっこい。意外にも交通量が多く、やはり車は凄いスピードで僕の横を次々駆け抜けるので落ち着かない。空はどんより曇り空、景色もつまらなくこの日はほとんどカメラを取り出すことも無かった。土地という土地は全て柵で囲われ、野宿場所も見つけにくいときた。あまりにも僕のイメージする「島の雰囲気」とはかけ離れていて、気持ちはどんどんやさぐれる。日没が近づくも寝る場所が見つからないので、地元の人にキャンプ場の在処を訪ねることにした。その男性、初めは口でキャンプ場の場所を教えてくれたのだが、車で自転車ごと載っけてそこまで連れていってくれることになった。小さい息子君と一緒に僕たちは楽しくおしゃべりしながらドライブ。たどり着いたキャンプ場は、丘から海を望む素晴らしいロケーションで値段も良心的。つまらない1日と思っていたけど、最後に人の温かさに触れて、ホコホコした気分で眠りに就いた。

翌日はCastroという島中央部にあるチロエで一番大きな街へ。そろそろ島を出る船を予約しておこうと、インターネットで予約サイトを確認する。すると週に3、4度は出ているフェリーは予約びっしり、次の船は1週間後だという。島を出るQuellonケジョンという港にはあと2日もあれば着くのに困ったものだ。先日の洪水の影響で、多くの人が僕と同じく「チロエルート」を選んでいるようだ。正直2日間チロエ島を走ってみて、あまり魅力は感じずにいた。景色はどこまでも単調で、メインルートの5号線は車だらけ。しかし悲観的になっても仕方ない。この島でなんとか楽しみを見つけようじゃないか。

Castroに2泊した後、地元の方の勧めでCucaoという村に寄り道することに。5号線を外れると交通量は減り、なだらかな斜面では動物達がのんびりと草を食んでいる。そうそう、やっとイメージに近い島の風景が見えだしたぞ。Cucaoにある国立公園ではトレッキングを楽しめるとのこと。予想はしていたが、チロエ島は丘ばかりで大きな山は無く、国立公園のトレッキングもブッシュの中や浜辺を歩くだけの少々地味なものだった。まあこれはこれでのんびりしていいものだ。

ペルーやボリビアを旅している時に比べ、最近はキャンプ料理も気合いか入ってきた。パタゴニアは物価が高いし、村も少ないから3食自炊が当たり前。じゃあ自分で美味しいもの作らないととなるわけだ。このところカレーをよく作る。日本で売ってるルーが無くてもカレー粉があれば美味しいものが作れる。チリで手に入る米の中には炊き方次第で日本のお米のように粘り気ある美味しいものもある。時間もあるので小麦粉練って、南米のソウルフード「エンパナーダ」作りにもチャレンジしてみる。

焚火で作ったカレーライスを白ワインと一緒に、穏やかな湖を眺めながらいただく。早る気持ちは分かるけど、待つしかないんだったら諦めるしかない。そうしていると、島の穏やかなる味わいが、だんだんと心にじんわり染みていくのが分かった。

あせらず、がんばらず、休みたければ休む。島は思っていたよりもずっと表情に溢れていた。ここには何も無いと思っていたけど、見えなくしていたのは自分自身の欲や焦りだと分かった。

やがて時は経ち、島の南側Quellonへ辿り着く。待ちに待ったアウストラル街道の旅がもうすぐ始まろうとしている。


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